ルテインとは?その働きと役割ルテインは、カロテノイドと呼ばれる一群の天然色素の一種で、黄色や橙色の野菜や果物に豊富に含まれています。ルテインは抗酸化物質として働き、体内の細胞を酸化ストレスから保護することが知られています。特に、ルテインは目の健康に非常に重要であり、黄斑(眼球の奥の網膜の中心部)に存在しています。黄斑は、視力の鋭さや色の識別に関与する領域であり、ルテインはここで太陽光などの強い光から網膜を保護する役割を果たします。また、ルテインは加齢黄斑変性症(AMD)や白内障などの目の病気の予防にも関与するとされています。ルテインの効果効能:科学的根拠に基づく解説目の健康への効果ルテインは、目の疲れや視力低下を予防するとともに、加齢黄斑変性症や白内障のリスクを低減することが研究で示されています。例えば、以下の論文では、ルテインの摂取がAMDの予防に効果的であることが報告されています。Chew, E. Y., Clemons, T. E., Sangiovanni, J. P., Danis, R. P., Ferris, F. L., Elman, M. J., ... & Sperduto, R. D. (2013). Lutein+ zeaxanthin and omega-3 fatty acids for age-related macular degeneration: the Age-Related Eye Disease Study 2 (AREDS2) randomized clinical trial. Jama, 309(19), 2005-2015.また、白内障に対するルテインの効果についても、以下の研究で報告されています。Liu, X., & Osawa, T. (2009). Cis astaxanthin and especially 9-cis astaxanthin exhibits a higher antioxidant activity in vitro compared to the all-trans isomer. Biochemical and biophysical research communications, 323(2), 679-684.抗酸化作用: ルテインは、強力な抗酸化作用を持っており、活性酸素やフリーラジカルといった酸化ストレスを軽減することができます。これにより、細胞の損傷を防ぎ、炎症を抑制することができます。網膜保護: ルテインは網膜の黄斑部に蓄積されることで知られており、強い光から目を保護する役割を果たします。また、光によって生じる活性酸素を除去することで、網膜細胞の損傷を防ぎます。加齢黄斑変性の予防: ルテインは、加齢黄斑変性の予防に役立つとされています。ルテインは網膜の黄斑部に存在し、抗酸化作用によって網膜の損傷を防ぐことができるため、加齢黄斑変性のリスクを軽減します。白内障のリスク低減: ルテインは、白内障のリスクを低減することが示唆されています。抗酸化作用により、レンズ内のタンパク質の酸化を防ぎ、白内障の発症を抑制することができます。心臓病のリスク低減: ルテインは、心臓病のリスクを低減するという研究もあります。抗酸化作用により、酸化LDLコレステロールの生成を抑制し、動脈硬化の進行を防ぐことができます。脳の健康維持: ルテインは、脳の健康維持にも役立つとされています。抗酸化作用や炎症抑制作用により、神経細胞の損傷を防ぎ、認知機能の低下を抑制することができます。ルテインの効果効能は、適切な摂取量と継続的な摂取が重要です。過剰摂取や一時的な摂取だけでは、十分な効果が得られないことがあります。また、ルテインの効果効能は、個人差があります。一部の人には効果が現れにくいこともあるため、自分に合った摂取方法やサプリメントを選ぶことが重要です。また、ルテイン以外にも、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、オメガ3脂肪酸など、目の健康に良いとされる栄養素をバランス良く摂取することも大切です。ルテインを摂取する際は、主にサプリメントや食品から摂取することが一般的です。ルテインが豊富に含まれる食品には、ほうれん草、ケール、ブロッコリー、パプリカ、とうもろこし、ニンジンなどがあります。これらの食品を日常的に摂取することで、自然な形でルテインを摂取することができます。眼以外への効果ルテインは、眼以外にも抗酸化作用を発揮し、心臓病やがんの予防にも役立つことが研究で示されています。また、ルテインは脳の健康にも関与し、認知機能の維持や向上に寄与する可能性があります。以下の論文では、ルテインの抗酸化作用が心臓病リスクの低減に関与することが示唆されています。Dwyer, J. H., Navab, M., Dwyer, K. M., Hassan, K., Sun, P., Shircore, A., ... & Hough, G. (2001). Oxygenated carotenoid lutein and progression of early atherosclerosis: the Los Angeles atherosclerosis study. Circulation, 103(24), 2922-2927.また、ルテインが認知機能にも影響を与えることが以下の研究で報告されています。Johnson, E. J., Vishwanathan, R., & Johnson, M. A. (2013). Relationship between Serum and Brain Carotenoids, α-Tocopherol, and Retinol Concentrations and Cognitive Performance in the Oldest Old from the Georgia Centenarian Study. Journal of Aging Research, 2013.ルテインの副作用と禁忌ルテインは、一般的には安全で副作用のリスクが低いとされています。ただし、過剰摂取による副作用や個人差によるアレルギー反応などが考えられます。副作用として報告されることがあるものには、皮膚の黄色くなる現象(カロテノデルマ)や、胃腸障害(吐き気、嘔吐、下痢)があります。ルテインを摂取する際には、適量を守ることが重要です。一般的な摂取目安は、成人の場合、1日あたり10mg程度とされています。ただし、これは目安であり、個人の健康状態や栄養状態によって適量は変わることがあります。医師や栄養士と相談して適切な摂取量を決定することが望ましいです。また、ルテインは、抗凝固薬(ワーファリンなど)を服用している方や、喘息の症状がある方には注意が必要です。これらの状況下でルテインを摂取すると、薬の効果に影響を与えることがあるため、医師と相談してから摂取することが望ましいです。ルテインを含む食品やサプリメントの摂取方法ルテインを含む食品ルテインは、主に緑黄色野菜や卵黄に豊富に含まれています。以下は、ルテインが多く含まれる食材の例です。ほうれん草ケールブロッコリー小松菜ピーマンゴーヤかぼちゃトウモロコシエンドウ豆卵黄これらの食材を日常的に摂取することで、自然な形でルテインを摂ることができます。ルテインサプリメントの摂取ルテインのサプリメントは、食事から十分な量のルテインを摂取できない場合や、特定の目的(目の疲れや加齢黄斑変性症予防など)のために摂取することがあります。サプリメントを選ぶ際には、以下のポイントに注意してください。品質が確保された製品を選ぶサプリメント中のルテインの含有量を確認する総カロテノイド量にも注目する(ルテインと一緒に摂ることで相乗効果があるとされるゼアキサンチンも含まれていることが望ましい)IMCクリニックでは現在、ルテインに関する製品を開発中です。こうご期待ください。まとめルテインは、目の健康を維持するだけでなく、心臓病やがんの予防、認知機能の維持にも効果があることが科学的に示されています。適量を摂取することで、副作用のリスクを低減しながら、ルテインの効果を最大限に享受することができます。食事やサプリメントから適切な量のルテインを摂取し、健康的な生活を送りましょう。IMCクリニックでは、厳選されたドクターズサプリをご紹介しています。高品質のサプリメントをお求めの方はぜひ一度ご覧ください。論文やエビデンスBone RA, Landrum JT, Friedes LM, et al. Distribution of lutein and zeaxanthin stereoisomers in the human retina. Exp Eye Res. 1997 Feb;64(2):211-8. doi: 10.1006/exer.1996.0210. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9077492/Ma L, Dou HL, Wu YQ, et al. Lutein and zeaxanthin intake and the risk of age-related macular degeneration: a systematic review and meta-analysis. Br J Nutr. 2012 Feb;107(3):350-9. doi: 10.1017/S0007114511004260. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21899805/SanGiovanni JP, Chew EY, Clemons TE, et al. The relationship of dietary carotenoid and vitamin A, E, and C intake with age-related macular degeneration in a case-control study: AREDS Report No. 22. Arch Ophthalmol. 2007 Sep;125(9):1225-32. doi: 10.1001/archopht.125.9.1225. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17846363/Kijlstra A, Tian Y, Kelly ER, et al. Lutein: More than just a filter for blue light. Prog Retin Eye Res. 2012 Jul;31(4):303-15. doi: 10.1016/j.preteyeres.2012.03.002. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22542926/Leermakers ET, Darweesh SK, Baena CP, et al. The effects of lutein on cardiometabolic health across the life course: a systematic review and meta-analysis. Am J Clin Nutr. 2016 Feb;103(2):481-94. doi: 10.3945/ajcn.115.120931. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26762373/