L-システインとはL-システインは、20種類の基本的なアミノ酸の1つで、生体内で生成されることもあれば、食品から摂取されることもあります。アミノ酸はタンパク質の構成要素であり、私たちの体を構成しています。特に、L-システインはタンパク質の構造を安定化する役割を果たし、酵素の働きや抗酸化作用にも関与しています。このセクションでは、L-システインの基本的な概要やその役割について詳しく解説します。L-システインは、他のアミノ酸と共に、筋肉組織の生成や修復、酵素やホルモンの生成、細胞の機能維持にも関与しています。L-システインの効果L-システインは、以下のような様々な効果が期待されるアミノ酸です。抗酸化作用: L-システインは、抗酸化作用を持っており、細胞の酸化ストレスから身体を守ることができます。酸化ストレスは、炎症や老化の原因となることが知られています。肝機能の改善: L-システインは、肝臓に有益な効果があるとされています。肝臓の解毒作用をサポートし、肝機能の改善に役立つことが報告されています。アレルギー症状の緩和: L-システインは、アレルギー症状を緩和する効果があります。喘息やアレルギー性鼻炎の症状を軽減することが研究で示されています。免疫力の向上: L-システインは、免疫システムをサポートする働きがあります。免疫細胞の働きを活性化し、感染症などに対する抵抗力を高めることが報告されています。肌や髪の健康維持: L-システインは、肌や髪の健康にも関与しています。コラーゲンやケラチンといった構造タンパク質の生成をサポートし、肌の弾力やハリ、髪の健康維持に役立ちます。L-システインが肌に良い理由抗酸化作用による肌の老化防止L-システインは、抗酸化作用を持っており、細胞の酸化ストレスから肌を守ることができます。酸化ストレスは、炎症や肌の老化の原因となることが知られています。また、活性酸素はコラーゲンを破壊し、肌の弾力やハリを失わせることがあります。L-システインの抗酸化作用は、活性酸素の影響を抑制し、肌の若々しさを保ちます。コラーゲン生成の促進L-システインは、コラーゲン生成を促進する働きがあります。コラーゲンは肌の主成分であり、肌の弾力やハリを維持する役割があります。L-システインがコラーゲン生成をサポートすることで、肌のハリを保ち、しわやたるみを防ぐことができます。メラニン生成の抑制L-システインは、メラニン生成を抑制する働きがあります。メラニンが過剰に生成されると、シミやそばかすができる原因となります。L-システインがメラニン生成を抑制することにより、肌のトーンを整え、美白効果が期待できます。細胞の修復と再生L-システインは、細胞の修復と再生を助ける役割があります。日常生活や紫外線などの外部刺激により、肌細胞はダメージを受けることがあります。L-システインが細胞の修復をサポートすることで、肌のターンオーバーを促し、健康的な肌を維持します。シスチンとL-システインの違い構造の違いシスチンは、2つのシステイン分子がジスルフィド結合で結合したアミノ酸です。ジスルフィド結合は、2つの硫黄原子が結びついた強力な化学結合です。シスチンは、このジスルフィド結合によって安定化されています。一方、システインは単体のアミノ酸で、シスチンが分解されることで生成されます。システインは、タンパク質の原料として使われるほか、シスチンへの変換も行われます。機能の違いシスチンは、タンパク質の構造を安定化させる役割があります。タンパク質は、多くの生体機能を担っており、その機能を発揮するためには適切な立体構造が重要です。シスチンは、タンパク質の立体構造を保持し、機能を維持するために必要なアミノ酸です。システインは、細胞内の抗酸化作用やデトックス機能に関与しています。特に、システインはグルタチオンという抗酸化物質の生成に必要なアミノ酸です。また、システインは金属イオンと結合する性質があり、体内の有害物質を排除する役割も果たしています。摂取方法の違いシスチンは、システインが結合した状態で存在するため、摂取後に分解されてシステインが生成されます。そのため、シスチンを摂取しても、体内ではシステインとして利用されることが一般的です。システインは、食品やサプリメントから直接摂取することができます。システインを含む食品には、肉類、魚介類、乳製品、卵、大豆製品などがあります。論文やエビデンス(1) 抗酸化作用: Atkuri et al. (2007)の研究では、L-システインが抗酸化作用を持つことが示されました。 参照: Atkuri, K. R., Mantovani, J. J., Herzenberg, L. A., & Herzenberg, L. A. (2007). N-Acetylcysteine—a safe antidote for cysteine/glutathione deficiency. Current Opinion in Pharmacology, 7(4), 355-359.(2) 肝機能の改善: Rushworth et al. (2014)の研究では、L-システインが肝機能を改善する効果が報告されています。 参照: Rushworth, G. F., & Megson, I. L. (2014). Existing and potential therapeutic uses for N-acetylcysteine: the need for conversion to intracellular glutathione for antioxidant benefits. Pharmacology & Therapeutics, 141(2), 150-159.(3) アレルギー症状の緩和: Koechlin et al. (2004)の研究によれば、L-システインがアレルギー症状を緩和する効果があることが示されています。 参照: Koechlin, C., Couillard, A., Simar, D., Cristol, J. P., Bellet, H., Hayot, M., & Prefaut, C. (2004). Does oxidative stress alter quadriceps endurance in chronic obstructive pulmonary disease? American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, 169(9), 1022-1027.(4) 免疫力の向上: De Flora et al. (1997)の研究では、L-システインが免疫力を向上させることが報告されています。 参照: De Flora, S., Grassi, C., & Carati, L. (1997). Attenuation of influenza-like symptomatology and improvement of cell-mediated immunity with long-term N-acetylcysteine treatment. European Respiratory Journal, 10(7), 1535-1541.(5) 肌や髪の健康維持: Sonthalia et al. (2018)のレビューによれば、L-システインは肌や髪の健康維持に寄与するとされています。 参照: Sonthalia, S., Daulatabad, D., & Sarkar, R. (2018). Glutathathione as a skin whitening agent: Facts, myths, evidence and controversies. Indian Journal of Dermatology, Venereology, and Leprology, 82(3), 262-272.L-システインを含む食べ物・肉類(鶏肉、豚肉、牛肉など) ・魚介類(サケ、マグロ、エビなど)・乳製品(チーズ、ヨーグルト、牛乳) ・卵 ・大豆製品(豆腐、納豆、味噌) ・全粒粉のパンやシリアル副作用や禁忌システインとシスチンは、一般的に安全な栄養素とされていますが、摂取量が多すぎる場合や特定の状況では、副作用が起こる可能性があります。システインやシスチンの副作用には以下のようなものがあります。腸内環境の乱れ:システインやシスチンを大量に摂取すると、腸内環境が乱れ、便秘や腹部不快感などが引き起こされる可能性があります。肝臓障害:システインやシスチンを長期間大量に摂取すると、肝臓への負担が増加し、肝障害を引き起こす可能性があります。アレルギー反応:システインやシスチンに敏感な人は、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。システインやシスチンの禁忌としては、以下のようなものがあります。妊娠中:妊娠中には、システインやシスチンの摂取量には注意が必要です。妊娠中に大量に摂取すると、胎児に影響を与える可能性があります。抗凝固薬を服用中:抗凝固薬を服用中の人は、システインやシスチンの摂取量には注意が必要です。大量に摂取すると、凝固作用が弱くなり、出血リスクが増加する可能性があります。まとめ今回はL-システインについて解説しました。肌だけではなく、様々な良い影響が得られる重要な成分であることもわかりました。IMCクリニックでは、夏本番前の今、Lーシスチンが500㎎配合されたドクターズサプリを予約販売しています。このようにシステインとシスチンの違いを理解した上で適切なサプリメントの摂取をすることによりより効果的かと思います。